驚異的な発展を続ける中国に、ますます日本中の関心が深まっている。中国を紹介する書物や雑誌も、店頭にあふれている。

　しかし私は断言する。「現代中国について知りたければ、何をおいても、まず、胡鞍鋼博士の著書を読むのがよろしい」と。

　それは、なぜか。本書に目を通せば、読者はたちまち納得するはずだ。

　胡鞍鋼の名前は、まだ、日本でそれほど知られていないと思う。けれども、少し中国に詳しい人なら、必ず名前をどこかで聞いたことがあるはずだ。香港のある雑誌は、胡博士を、朱鎔基元首相の「ブレーン」と呼んだこともある。胡博士は中国の党・政府の指導者に提言を行なうことができる立場にあるし、実際に指導者たちが、その提言を重視していることは確かだ。

　本書に目を通せば、現代中国を考える上で重要となるポイントを一通り理解することができるはずだ。＜橋爪大三郎（東京工業大学教授・社会学者）「本書を読むにあたって」より抜粋＞

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